衰退ニッポン、30年、50年後想像するや……(その1)
- 人工進化研究所(AERI)

- 2022年9月28日
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衰退ニッポン、30年、50年後想像するや……(その1)
1.日本が高度経済成長を遂げられたのは、第2次大戦後、国民と政府&行政とが一丸となって殖産興業に励み、高品質な商品を輸出し、巨額の貿易黒字とし、世界最大規模の外貨準備高を有したからだ。
2.2000年以降顕著になった原材料高、原油高を契機に2020年以降各国は激しいインフレに突入。各国は自国通貨の防衛のための政策に転換した。
3.その一方で1990年以来30年に渡るデフレに苦しむ日本は世界的インフレ下で一人デフレ克服政策を維持し続けた。日銀は2016年以降、「金融緩和強化のための新しい枠組み」として指定した利回りで国債を無制限で買い入れることを決定、円紙幣を無制限に刷りだした。今までは、潤沢な外貨準備高とその伸びに支えられて円の価値は維持されてきた。
4.しかしながら、日本政府と日銀の執拗な財政緩和政策には耐えきれず、2012年円相場は突如反転、急激な円安が始まった。日本政府と日銀が財政緩和政策に固執するあまり、2022年9月末現在の為替レートは、1ドル150円にも迫る勢いだ。
5.歴史的にみて、財政に問題を抱えた国の自国通貨はすべて値下がりしてきた。例えば、20年前のイギリスは、1ドル=0.6ポンドのレートでしたが、今は1ドル=0.8ポンドまでポンド安が進行している。自国通貨の価値を下げて、中長期的に経済成長を遂げた国は存在しないということだ。
6.日本も例外ではない。今後さらに激しい円安トレンドは
維持されるはずだ。巷では、『いい円安』とか『悪い円安』とかのコメントが喧しい。愚かなことだ。

カリフォルニア工科大学大学院物理学客員教授 Ph.D. & Dr. 物理学者 神室一翔
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