●米国が進撃を続け、ガラパゴス日本が停滞を続ける理由
- 人工進化研究所(AERI)

- 2023年1月5日
- 読了時間: 4分
●米国が進撃を続け、ガラパゴス日本が停滞を続ける理由
米国カリフォルニア工科大学大学院物理学客員教授 Ph.D. & Dr. 量子物理学者・脳科学者 神室一翔
1.米国留学25年余りで、経済・政治・科学技術等の各分野で米国が日本と比較して致命的に優れている特質の一つに『物事の進め方』がある。米国は結論に至るまでの過程が論理的かつシンプル。一方で日本は結論に至るまでの途中が混沌・紆余曲折そのもので、結論と呼べるものにさえ到達できないことがしばしばだ。結論にたどり着くどころか、べつの議論で終結してしまうことや、うやむやのままに尻すぼみになってしまうことも珍しむない。
2.これは「米国が進撃を続け、日本が停滞を続ける理由」の主因といえる。
3.「日本は、目的を達成するにあたり、「限りなく考えうる不確定要素を考慮した上で完璧な物」を作り出そうとする。「もし、●●●が起こったら…」とか、「万が一、●●●になった場合は、…」といった具合に、「もし、●●●したら、…」とか、「万が一、●●●となってしまったら、…」とかの追求に余念がない。 その為、立法や製造の初期:設計段階において、かなりの予算と時間が浪費される。このうちの多くが「余計」だったり「責任の所在を明らかにしておく物」だったりするため、本来の目的がほとんどの場合忘れられてしまう。 もちろん、法律や製品としての質は出発段階では高いかもしれませんが、その生産性は非常に悪化する。
4.一方で米国は、「求めている目的を追求し達成するためには、とりあえず最低限必要とされるモノ」をまず作り出してします。その結果、当然、色んな不具合・過不足が発生する。米国人はここで、「じゃぁ、その不具合・過不足にどう対処・改良すれば良いか」とupdate・upgradeをその場その場で考えて、「使いながら対処・改良した物に作り上げていけばよい」と考える。逆に言うと「不具合さえ発生しなければ、ノープロブレム!」という思考方法だ。結果、モノとしての質はそれほど高くはないかもしれなくとも、モノの生産性を非常に高くできる。
5.そして、このような事は日米の『問題解決』にも当てはまる。
6.日本の場合は、問題が起こった場合、その責任に対する追及が激しく、社会的抹殺や地位の引きずりおろしが頻繁に行われる。そのため、『極力、法律・条令・規定・規制等々の拘束条件を作り出して、問題が発生しないように』、政府、立法、行政諸機関が暗躍する。その結果、新しい物事が生まれると、まず『想像される限りの問題点』を洗い出し、それに対して、法律・条令・規定・規制等々の拘束条件を持って対処しようとする。
7.法律・条令・規定・規制等々でガチガチに拘束しておけば、万が一、問題が起こっても責任問題で袋叩きにされることを本能的に避けようとする政治家の責任逃れ的な発想が十二分に発揮されている。一方で『物事の進歩、新規導入の目を積んでしまう、出る杭を初期段階で潰しておく』という日本・日本人特有の欠点が露呈する。その結果、外部変化・進歩に対して、周回遅れ・乗り遅れが常態化し、日本のガラパゴス化が深刻化する一方となっている。政治・経済・立法・先端技術・研究開発・軍事防衛・エネルギー開発等全方面で深刻な致命傷となっている。
8.一方で米国の場合、『問題が発生したら、司法で解決すれば良い』という論理思考なので、法律・条令・規定・規制等々の拘束で最初からガンジガラメにはしない。米国は、問題・課題が多数発生すれば、それによってupdate・upgradeを進めて行くが、『事中・事後対処療』がなので、問題の発生件数は日本に比べると格段に多いものの、規制は最低限の場合が多い結果、変化・進歩・改良・対処がクイックになる。
9.20世紀半ばまでは美徳として有効に働いていた日本の完璧主義という国民性が20世紀終盤から21世紀にはいってからは、致命的に裏目に出続けている。完璧主義者日本人…。
10.しかし米国では英語を母国語としない色んな人種(アジア、ヒスパニック、アフリカン、インドなど)の人種が住んでいるわけで、彼らも母国語訛り英語を流暢に操る。話すときに、間違っていると恥ずかしいから、という感覚がほとんど無い。実際、彼らの母国訛りの英語は文法とかメチャクチャでも、少なくとも意思は通じる。
これぞ、米国で生き残り、発展していくためのアメリカンロジックといえる。 以上





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